YOUTUBEの低コスト1080p 60fps超高画質配信方法

話が長くなるので結論から書きます。
YouTubeで高画質配信する簡単な方法は

1080pの映像を4Kに拡大し配信する

PlayStation5のデモンズソウルリメイクを1080pでキャプチャーし、Youtubeに配信した2つの映像を比較してみてください。
※それぞれ最高画質のフルスクリーンでご覧ください。
※このWEBページ上で同時に再生するのはお控えください。(YouTubeの規約違反らしい)

1080pのまま出力

1080pを4Kに拡大して出力

説明

先日youtubeでPS5のプレイを配信していて、ふと思いました。

あれ、画質低くない?

その時は20,000Kbpsの配信だったのですが、同時に配信していたtwitchの6,000Kbpsの画質とそれほど差が感じられませんでした。
どうやら原因は、
youtubeの側で再エンコードされる際に、1080pの映像だと上限ビットレートがある程度決まっているためのようです。
下記のyoutubeのライブ配信の推奨ビットレートをご参照ください。

以下YouTubeヘルプより引用
youtubeのライブ配信ビットレート表
画質/fps ビットレート
2160p(4K)/60fps 20,000~51,000 Kbps
2160p(4K)/30fps 13,000~34,000 Kbps
1440p(WQHD)/60fps 9,000~18,000 Kbps
1440p(WQHD)/30fps 6,000~13,000 Kbps
1080p(FHD)/60fps 4,500~9,000 Kbps
1080p(FHD)/30fps 3,000~6,000 Kbps

赤字箇所にご注目ください。

YouTubeでは1080p/60fpsの配信では、ビットレートが4,500~9,000kbpsの範囲に収まるように再エンコードされてしまうのです。

しかしこれではせっかくPS5の映像のきれいさを視聴者に伝えることができません。(特に動きの速いFPSやアクションゲームでは顕著に画質が悪くなります。)
私の経験上1080p/60fpsのゲーム体験と遜色ない映像を視聴者に提供するには20,000kpbs以上のビットレートが必要です。

YouTubeで1080pの高画質配信をするのは無理ゲー

よくOBSの設定をいじって高画質にする方法が紹介されていますが、これは実は高画質(=高ビットレート)配信するのではなく、多くの場合高画質に見えるように配信する方法なのです。

高画質に見えるように配信するとは?
obsなどの設定でエンコードの方法を改善することで圧縮率を高め(より低いビットレートにして)、帯域幅を確保しているのです。圧縮するというのは、元の映像よりも容量を少なくすることにほかなりませんから、高圧縮にするにつれて、元に戻らない不可逆的な圧縮が必要になります。高精度に人間の目にわからない部分だけを削り取っていければいいですが、大事な部分も結構省いてしまうのが実情です。

H264をはじめとする高圧縮の映像圧縮技術は優れたものであり、元の映像と遜色のない映像を視聴者に提供することができます。しかし、H264で1080p/60fpsの高圧縮映像をリアルタイムで配信するには、現在のハイエンドPCであってもかなり厳しい戦いになることでしょう。動画編集をMP4に書き出したことのある方ならご存じでしょうが、30分の動画を設定を詰めてMP4にエンコードすると、3,4時間かかることもあります。つまり、元の動画の再生時間の10倍以上を費やすことがあるのです。それをリアルタイム配信で行うことがどれほど無謀かわかるでしょう。

ちなみに1080p/60fpsの無圧縮動画のビットレートは約3Gbps(3,000,000Kbps)ですので、YouTubeが提供する1080p/60fpsの帯域4,500Kbps~9,000Kbpsにするには、最低でも300分の1の動画サイズに圧縮する必要があります。

Youtubeの帯域を最大限に利用する方法

高画質にするためには

4K/60fpsで配信すればいいのです!?

YoutubeLiveの最高帯域は51,000kbpsですから、4Kの映像であればその帯域をフルに活用することができます。
しかし、よく考えてみてください。
4K/60fpsの映像を圧縮するには、FHDの映像の4倍の労力が必要です。しかもその多大な労力で圧縮しても、結局YouTube側で51,000kbpsに再圧縮されて、画質は悪くなってしまいます。
逆の発想が必要です。
1080P/60fpsの映像で4Kの帯域幅が使えるとしたらどうでしょう。
1080p/60fps無圧縮(3,000,000Kbps)の映像を51,000kbpsに圧縮するとしたら、圧縮率はわずか60分の1程度で済みます。これなら300分の1に圧縮したときよりはるかにマシンパワーを必要とせず、かつ高画質に映像を配信できると思いませんか?

冒頭で述べたように上記の理由から

1080p/60fpsの映像を4Kに拡大し51,000kbpsでYouTubeに流す

こうすることで、YouTube側では配信された映像を4K映像と認識し、51,000Kbpsを使って1080pの映像を配信することが可能となります。
    1080pの4K拡大配信の利点
  • 最大51,000Kbpsのビットレートが使用可能になる。
  • 圧縮によって配信PCに無駄な負荷をかける必要がない。
  • 上記の理由により配信PCのスペックが多少低くても高画質に配信できる
以上配信の参考になれば幸いです。

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